「ちょっと、机かいて!」
と生徒に言ったら、生徒ちゃん、机の前で右往左往。
筆記用具を出すか? 机を引っ掻くのか?
いや、それはおかしいだろ!
じゃあ、「机を」描くのか? 「机で」何か書くのか?
悩んでる 悩んでる
こらこら! 君たち、阿波っこやろ??(^_^;)
「かく」は阿波の方言で「担ぎ上げて運ぶ」の意味です。
私は、机を運ぶお手伝いをして欲しかったのです!
「担ぎ上げて運ぶ」という一連の動作を示す「かいて!」
「運んで!」でも「持って!」でも、ニュアンスが伝わらない。
私にとって「かいて」を上回る表現なんかないのです。
この「かく」という動詞は、古語には存在します。
さまざまな場面で、「かき入れて」と出てきます。
人を、抱きかかえて担ぎ込む 動作です。
阿波徳島は、(海を隔ててはいますが)近畿圏と近い距離にあるので、
古語がそのまま方言として残っている例が多く見られるのです。
「かく」もその1つです。
ところが、メディアの影響でことばが「標準化」「均一化」され、
方言はどんどん消えています。
地域に土着のことばが消えるのは寂しい気がします。
特に、阿波の方言は、古語の表現をそのまま残していることが多いので、
大切に使い続けたいと、私は思っています。
ってことで、生徒に怪訝な顔をされても、私は「机かいて!」と言い続けますよー(o゜▽゜)o